・流星シリーズの世界観


・はじめに
『流星』シリーズとは、エディ執筆の『星海』または『流星演舞』を初出とするSF小説の世界観。
 この世界観を元にした小説は、『流星演舞』『星海歴史録』『流星流転−周−』の三作品がある。
 なお、これらの小説は全部削除してしまったため、すでにデータが存在しないという大問題が!
 現在、『流星演舞』というタイトルの小説を一筆未完のまま放置しているが、これは元のものからすれば、ほとんどただの手抜き版。

 

 


・銀河系人類社会
 物語の舞台となる世界。
 今から数千から数万年後にあたる未来で、その時代において人類社会はすでに銀河系のほぼすべての領域に進出し、さまざまな国家を築いている。
 その銀河系に広がった人類社会のことを総称して、銀河系人類社会と呼ぶ。


・銀河系人類社会における五大大国
 銀いが敬人類社会において、特に巨大な五つの国がある。
 軍事力は弱いが、経済力において銀河系社会随一の大国である』リューフレス・リフレネシア同盟国』。
 戦争を避けながらも巨大な勢力を誇る『カスティナラバ帝国』。
 銀河系交易における要所に位置する『アラス帝国』。
 200年という長きにわたり戦争を継続している、『アブレネーシュ国』と『ハルネイス国』。
 これらの国が、銀河系人類社会において、もっとも強い力を持っている。

 

・潮流
 海には潮の流れがあり、空には風の流れがある。
 帆船は帆を張ることによって、人間では出しうることのできない強力な速度で海を旅していく。
 また、飛行機はエンジンを持ちながらも、その巨体を飛ばすのは空気力学による産物のため。
 どのような移動の手段においても、それ自体の持つエネルギーで進める力はたいしたことがない。自然現象を利用することで、人はそれまでとは比較もできない速度を手にして、世界を旅していくことができる。
 それは、地球の中だけでなく、宇宙空間においても同じだった。
 銀河系人類社会の形成においては、『潮流』と呼ばれる、銀河系内を血液のような巡る重力子の流れの発見がそれだった。
 この重力の流れを用いることで、人類は光速を超えた速度の世界に、低エネルギーで進出することができた。
 この潮流こそが、人類を銀河系全域へと拡大させてい原動力になった。
 それは、銀河系人類社会の時代においてもまた同じであり、銀河系社会は、潮流の流れなくしては、成立しえない。

 

・流星航路
 潮流の中で、もっとも特別な潮流。
 銀河系全体をめぐる長大な流れであり、それゆえにただの潮流とは区別して、流星航路と呼ばれている。

 


・流星演舞(星海)のストーリー
 サータヴァーナ朝カスティナラバ帝国を舞台にした物語。
 物語の主人公は、カスティナラバ帝国の大貴族ルディーナヴァル大公カスティア。
 鮮血の色の髪と瞳をした絶世の美女。
 カスティナラバ帝国が、大国のひとつアブレネーシュ国に対しての宣戦を布告することにより、カスティア率いる艦隊がアブレネーシュ国の軍と、数十万隻規模の艦隊戦を書くこととなる。
 物語の中心は、艦隊戦を描いていくことにささげられている。
 物語自体は、涼軍の引き分けという形で結末を迎えてしまう。続編の制作も考えていたが、流星演舞自体が、すでに長編であり、その座く編を書くとなれば大河小説を作る覚悟が必要になるため、続編は結局作られなかった。
 ただし、この後の時代の流れに関しては、星海歴史録においてすべて書いている。

 

・星海歴史録のストーリー
 人類の誕生から始まり、実際の歴史を交えていく歴史小説。
 ただし、それはあくまでもプロローグ部分の話。その後は、各戦争後の地球の歴史、太陽系に進出した人類社会の歴史、銀河系へと拡大していく人類の歴史を執筆していく。
 その後は、流星演舞で舞台となった銀河系人類社会の歴史を執筆し、やがて物語の確信的な人物カスティアの生涯録へ。
 さらに、彼女の死後にまで触れている。
 いくつもの国家の興亡盛衰史であり、実際の歴史を参考にしながら書いた架空歴史小説。

 

・流星流転 −周−
 銀河系人類社会の時代における物語。
 ただし、流星演舞の時代から見れば二千年ぐらいは過去の話になる。
 物語のモチーフは秦の始皇帝で、銀河系内の分裂している国家を周と呼ばれる国の王が平定していき、最終的に皇帝を号することになり。
 その後の死後の話も収録。
 物語全体にわたって、SFなのに、やっていることは中国の歴史。そのため、やたらと漢字が多い。

 

―――流星シリーズにおける人物(『流星演舞』編)(流星演舞外のネタ含む)
・カスティア
 流星演舞においては、カスティナラバ帝国の大貴族ルディーナヴァル大公家の当主にすぎない。
 非常に高慢で、怖いもの知らず、残酷。戦場にいることをこれ以上なく楽しむ人。そして絶世の美女。とにかく、これでもかというほど強烈な性格をした悪女。
 ただし、『星海歴史録』においては、流星演舞の後日談がすべて歴史形式で著述されている。
 この中で、カスティアは、カスティナラバ帝国を簒奪し、ルディーナヴァル朝カスティナラバ帝国の初代皇帝となる。
 ただし、これはカスティアの歴史における始まりにすぎず、その後彼女によって銀河系人類社会の五分の四までが征服されることになる。
 だが、彼女の最後は、地方の反乱の平定に乗り出し、その戦場で自らの乗艦が流れ弾に被弾することでの死となる。
 ちなみに、後宮において、男を惨殺するという、最悪の性癖を持っている。また、胸中では、銀河系の征服自体を目的としておらず、彼女の死後に訪れる、崩壊を期待しているという性格破綻者。それゆえに、彼女の側近であるファルガーなどが、反乱を起こして彼女に挑んでくることを期待している。
(ただ、ファルガーはカスティアの生前には反乱を起こさず、彼女の死後に帝都で起きた政争を軍事力で制圧して宰相となっている)
 なお、銀河系の制服で流された血の多さから、鮮血の皇帝などとも呼ばれる。
 実際の歴史上のチンギス・ハーンの女性版といったところ。

・ダグラス
 カスティアにもっとも近い側近中の側近。
 後にカスティアが簒奪した、ルディーナヴァル朝カスティナラバ帝国においては、目立った地位を持つわけではないが、常にカスティアの傍に控える。
 愛人と噂されてもいるが、カスティアの破綻した男女関係において、巻き込まれることのない稀有な人物。
 また、側近の反乱を常に期待していたカスティアが、唯一彼にだけは期待していなかった。

・ユウ・ファルガー
 カスティアの側近であり、ルディーナヴァル王朝における重臣。
 軍事において重装騎兵艦の運用を得意とし、軍事面ではカスティアに継ぐ人物。
 後にルディナヴァール王朝にて創設される、十部軍(全部で10あり、一部の軍は、30万隻からなる大艦隊)の一軍を率いることになる。
 カスティアの死後は、政争に勝利して、宰相として事実上の帝国の支配者となる。
 統治者としては有能で、カスティア曰く『一国の君主が務まる』とのこと。それでも広大な帝国の一部では反乱が起こることになり、生涯を反乱の鎮圧に追われることになる。


・宰相(名前を忘れてしまった!)
 ルディーナヴァル王朝における帝国宰相。
 カスティアの側近であり、帝国の軍事と経済の両面を支える人物。
 前線における軍事的な才幹は、発揮する機会が一度しかなかったために未知。
 基本姿勢は守勢の人物で、領土拡張を続けるカステイアとは、口論と反目が絶えない人物。とはいえ、政策上の反目はあるものの、彼に変わる人物がいないために、カスティアに重用される。
 カスティアが戦争において、大軍を動かすたびに、それを維持するための物資や財政のすべてをやりくりしている。また拡張後の領土維持に関しても、彼の意向が非常に強く、帝国の内政と後方部隊の運営を中心に行っている。
 また、宰相という地位にあるため、軍事に対しての権限も有しているため、帝国全体での軍事の配置などへの意見もしている。軍事関連の人物が多いルディーナヴァル王朝においては、代え難い内政の名人。
 カスティアならば帝国の皇帝はカスティアであるが、実際に内実面では彼が取り仕切っていたからこそ、あれだけの大帝国を維持できたといわれるほど。
 とはいえ、カスティアの統治の晩年には、カスティアとの反目が広がって、宰相の地位を自ら辞職することになる。その後は、カスティナラバ帝国の属国と化していた、大国のひとつアラス帝国に移り、商業において巨大な富を築く。
 最終的に平安な死を迎える。


・マーマル
 モウル地方と呼ばれる、蛮族の住む地方出身の人物。
 モウル地方の一部族の長だが、戦乱に敗れた後、彷徨っていた彼をカスティアが気に入り部下とする。
 猛獣のような男であるが、その彼を女のカスティアが簡単に制圧してしまう。まるで弱肉強食なのか、以後はカスティアに黙って従うことになる。
 500隻からなる『死軍』と呼ばれる白い艦隊の指揮官。数こそ少ないが、その艦隊の精強さは常識の域を超えており、敵の大艦隊を内部から食い潰す、戦いをする。
 味方の大軍と連動することで、数千隻の艦隊をも凌駕する力を持つようになる。


―――流星シリーズにおける人物(流星流転−周−)
・周の王(名前は忘れた!)
 『天の川』地方(流星演舞におけるリューフレス・リフレネシア同盟国のある地方)にある七つの国の一つ、周の王。
 周の王の子として生まれながらも、他国に人質として贈られていた幼少期を持ち、体もそれほどに強いわけではない。
 だが、後に周の王位に即位し、各国を平定して、天の川地方全域を統治し、皇帝の位に着くことになる。
 銀河系の一部とはいえ、天の川地方は非常に広大で、その領域全体を支配したのは、彼が初めてのことである。とはいえ、実際に彼が軍を率いたことはなく、軍の指揮はもっぱら配下の将軍たちに任せ、自身は母星において、それらの成果をもぎ取った。
 天の川地方の統一後は、強権的な政治によって民衆を支配し、また惑星一つを使って、自身の陵墓の建造をしたり、他地方への侵略戦争をしかける。
 彼の死後、すぐに帝国は滅びることになる。


・楊女君(ようじょくん)
 周の王が王位につく以前から、宮廷を牛耳っていた後宮の主。
 彼女にとっては王とはただの傀儡であり、政治のすべてを彼女が取り仕切っていた。そのために、女の君主とあだ名され、ついたあだ名が女君である。
 周の王も即位当時はただの子供と侮っていたが、水面下で彼女を追い落とす工作がされていて、その後宮廷内のクーデターによって処刑される。

 

―――流星シリーズにおける人物(『星海歴史録』編)
・ウー・チャルデ・ドミニオン(太陽系人類社会時代の人物)
 支配者の名を冠する人物。
 流星演舞の時代から見れば完全に過去……というか、古代に生きた人物でしかない。
 彼の生きていた時代は、まだ人類は太陽系と13の太陽系外恒星系にしか勢力をもっていない。ただし、太陽系の勢力が強大で、残りの13の恒星系に関しては、事実上の流刑地として扱われている。
 この時代は、太陽系全体を、地球統一政府が支配している状態で、その政府の首席として、ドミニオンは君臨している。
 地球を中心とし、他の勢力を支配下に置くことで、地球の繁栄が極度に達している。太陽系を支配するドミニオンであるが、彼の死後、地球政府は混乱し、太陽系内は反乱に次ぐ反乱で、ゴタゴタになってしまう。
 結局、太陽系は内紛が続くことによって力を失っていくが、その頃には太陽系外の恒星系が勢力を拡張していき、人類は急速度に銀河系へと広理始めていた。
 ちなみに、ドミニオンのモチーフは、アドルフ・ヒットラーあたりから。

 

・シンホル(大鷲)・ニハーヴァント(流星演舞時代の人物)
 カスティアと同時代の、アラス帝国の将軍。
 アラス帝国はこの時代、隣接しているヴァール地方との戦闘を繰り返していて、大国でありながらも、アラス帝国は国内にヴァール軍の進攻を許したこともある。
 このヴァール軍との戦いで活躍した将軍で、その精強な戦いぶりから、『シンホル(大鷲)』と呼ばれるようになる。
 アラスの三人物の1人。

・シャヒル(幻術師)・クシフォンテ(流星演舞時代の人物)
 ニハーヴァントの親友であり、アラス帝国の軍師。
 才智に長けたアラス帝国の軍師。彼の指揮による軍は、敵をまるで幻にかけるかのように彷徨わせて、いとも簡単に勝利を勝ち取ってしまう。そこから『シャヒル(幻術師)』と呼ばれるようになる。
 アラスの三人物の1人。

・マギ(賢者)・ハシーシュ(流星演舞時代の人物)
 ニハーヴァントたちと同時代に活躍したアラス帝国の内政官。
 前者の二名が軍事的な才幹に長けていたのに対して、こちらは内政面での名人。
 ヴァール地方からの侵略で荒れていた、国土を回復させた内政人物であり、そこから『マギ(賢者)』と呼ばれるようになる。
 アラスの三人物の1人。

 

・カルカス・アラン(星海歴史録の案内人)
 星海歴史録の主役というか、案内役。
 売れない歴史小説家で、地球時代から銀河系人類社会までの時代を、暇な時間を見つけて執筆していた小説家。
 その生活は貧しく、嫁のもらいてもなく、おまけに売れない小説家。
 いつも締め切りになると逃げることだけを考える。
 なお、間違っても、各時代に登場する英雄たちとは、比べられる何ものはずがない。

・ハラ編集者
 出版社の編集者で、カルカス・アランの担当者でもある。
(といっても、小説家を複数掛け持ちしているのだが)
 締切になると現れる恐怖の人物。
 ちなみに、性別は不明。
 エディが過去に執筆してきたどうでもいい話に、たびたび登場している恐怖の編集者で、登場するたびに人間離れした能力を発揮していく。
 エディに対しても「締め切り」と叫びながら、迫ってくることが過去に何度もある。
(いや、あくまでもエディの想像上の人物のはずなのだが……)

 

 

 

―――技術とか
・軛(くびき)
 空間と空間を接続することで、長距離の空間を一瞬で飛び越えることのできる技術。
 銀河系内の空間移動において用いられていて、この技術によって銀河系内での移動速度が飛躍的に向上している。
 大規模な艦隊なども、長距離の空間を飛び越えることができる。
 もっとも、この技術のエネルギー効率はひどいため、通行上切り離すことができない場所を除いて、軛と呼ばれる装置は使用されていない。
 また、軛を利用するためには、移動元と移動先に軛の装置が必要となるため、両方の軛を確保していないと利用することができない。
 そのため、敵の領土に艦隊が攻め入る……という方法には全く使えない。


・アルトビオン鋼
 人類がまだ地球にいたころに、宇宙空間で発見された物質。
 それまでのいかなる物質とも比較できない強度を持つ。この物質の発見によって、それまででは考えられない強度の宇宙船を作ることができるようになり、人類が宇宙空間へと進出する大きな足掛かりとなった。
 このアルトビオン鋼は、その後改良が続けられ、流星演舞の時代になっても、船の外壁などに用いられている。
 昔で言うと、青銅器時代に鉄を発見したようなもの。

・キュラリー元素
 アルトビオン鋼と同時代に発見された元素。
 それまでのいかなる物質よりも、強力なエネルギーを持つ。この元素の発見によって、人類は核さえも比較にならない高エネルギーを獲得することになる。
 宇宙空間に進出するにおいて、宇宙船のエネルギー源として利用され、涼性演舞の時代においても用いられている。


・環状銀河系社会
 銀河系人類社会と一口に言っているが、地球では人類が地表に住んでいるように、銀河系においても人の生存に適している地域は一部分でしかない。
 銀河系の中心方向に行けば、重力の流れが強く、船の航行などはできない。また、逆に中心部分から離れすぎると、今度は星自体がほとんど存在しなくなるために、やはり人の生存には向かなくなる。
 そのため、地球における地面と同じで、人類が銀河系内で生存しているのは、銀河系地中心部分あらの一定距離の狭い領域でしかない。
(もっとも、狭いといってもかるく光年単位を超えているが)
 ちなみに環状というが、銀河系の地有心部分から外側に向かって次のように分けられている。
 第一環:銀河系中心部分。超高重力のため、人類は進出できない。
 第二環:銀河系中心部付近。第一環と同じく、長常緑空間のため、人類の進出はできない。
 第三環:通称資源域。地球の中に、鉱物や石油などが眠っているのと同じで、銀河系人類社会における貴重な資源が眠っている資源地帯。ただし、超重力星系や高密度の星間物質空間が広がるため、特別な船でないと航行することさえできない。また、人類の進出には向かない領域。
 第四環:通称生活域。地球の地面にたとえることができ、人類の生存に適した恒星系などがもっとも多い領域。また、潮流の流れを用いた恒星間航行もこの領域では行いやすい。
 第五環:空間域。地球にたとえると大気圏。恒星などがまばらな領域。星間物質なども少なく、宇宙船の航行においては、支障が少ないが、恒星系自体が少ないために、人が生存するのには、不適格な領域。
 第六環:銀河系外延部。地球にたとえると成層圏といってよい場所。星間物質が希薄で、銀河系中心部からの重力の影響がかなり薄い場所。人の進出以前に、進出するだけの価値さえもがほとんどない空間。
 第七環:銀河系外。地球でいえば宇宙空間。すでに銀河系の外で、環という表現も適切とは言い難い。銀河系外であるために、人類の進出はまだなされていない。

 

―――軍事
・重力子弾
 銀河系人類社会の時代における、艦隊が通常装備している、重力子の弾頭。爆発すると強力な重力の力で、戦艦を潰す。
 もっとも、超重力の空間を航行するアルドビオン鋼でできた戦艦相手に攻撃するため、1、2発の重力子弾程度では、軍艦は沈まない。
 逆にいえば、アルトビオン鋼の強度はそれほどまでに高いことになる。

・銀河系人類社会における軍艦
 銀河系人類社会における軍艦は、その中に数多くのクルーを抱えているが、もはやこの時代においては、『地球時代の兵士』=『一隻の軍艦』と呼んでいい。
 大規模な艦隊になれば数十万の艦隊が編成され、艦隊の人口は一艦隊で億を突破することになる。銀河系全域に人がいるために、それほどまでの人間が、軍事に投入されても、それを支えることのできる力が、大国にはあるということになる。
 とはいえ、よほどの大国でなければ、十万隻規模の艦隊を編成することなど稀。
 とはいえ、銀河系人類社会における五大国は、全軍で百万隻以上の軍船を要する。


・カスティアの戦法
『三竜』、もしくは『暴竜』とも呼ぶ。
 カスティア、ダグラス、マーマルはそれぞれに五百隻の艦隊を率い、三人で千五百隻の艦隊を率いることになる。ただし、これだけでは数十万に及ぶ艦隊戦の中では、日々足る数字でしかない。
 しかし、この3艦隊は非常に強力であり、強烈な打撃力と機動性、そして敵中に飛び込むことで、内部から敵の指揮艦を次々と撃破していくことで、敵の指揮系統を壊滅させていく戦いをする。
 最も砲火の激しい敵の中を、全速力で駆け抜けながら戦いを演じる。超高速戦の戦いであるために、もはや軍艦の機器による戦いではなく、勘と直感の領域での戦いを演じる。危険極まりない戦いであるが、だがその中で、カスティアはもっとも恍惚としている。
 また、それだけの戦いを演じられるだけの錬度を、この三艦隊は持っているが、それゆえに普段からこの艦隊への訓練は常識的な次元のものではなく、この三艦隊以外の艦隊で同じことを演じようものなら、大惨事確実というしかない。それゆえに、この三艦隊はエリート部隊であるだけでなく、他に代わりが利かず、人の入れ替えもできない部隊である。
 ただし、この3艦隊のみで戦うのではなく、ここに味方の大艦隊が加わることで、数以上の戦い方を演じることになる。
 ちなみに、カスティアが敵中に躍り込むと、彼女が前軍の指揮を執るわけにはいかなくなるので、その場合はファルガーが前軍の指揮をとり、彼が十部軍の指揮官となった後は、別の人物が前軍の指揮をとる。


―――軍艦
・重騎兵艦
 地球時代の重騎兵から名をとった軍艦。重装備の軍艦で、超重戦艦とでも言うべき白物。
 艦隊における旗艦に用いられることが多い。
 また、重装騎兵艦だけで構成された艦隊のことを、重装騎兵艦隊と呼ぶ。この艦隊は攻守、機動性ともに尋常でない。
 そして、使う弾薬と補給物資、艦隊の維持費も飛んでもないレベル。

・重装歩兵艦
 地球時代の重装歩兵から名をとった艦。非常に重装備で、重装戦艦と呼ぶべき白物。


・弓兵艦
 長距離攻撃を主眼に置いて使われる軍艦。
 艦隊戦では、相手の軍を長距離から攻撃できるため、突撃してくる艦隊への攻撃が可能。
 しかし、その反面防御面での脆弱さや、武器の再充填の間隔が長い。

・大盾艦
 敵艦隊からの防御を主眼に置いた軍艦。そのため、攻撃力に乏しい。
 艦隊戦での運用が主眼に置かれている。